第一章では、
安易な価格設定が招いてしまう怖さに触れました。
続く第二章では、
どの業界でも用いられる教科書的な三種類の価格設定のうち、
コストを基準とした設定法
「サロン側の自分の視点から見た設定法」をご紹介しました。
この章では、
三種類のうちの二つ目をご紹介いたします。
[ 様々な業種に共通する価格設定法 ]
1.コストを基準とした設定法
2.競合価格を基準とした設定法
3.マーケティングを考えた設定法
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2.競合価格を基準とした設定法
これは、競合となるサロンさんの価格を調べて、
それを参考に自分のサロンの価格を決定する方法です。
競合基準法、競争基準型などの名称があり、
細かく分類すると、
市場価格追随法、プライスリーダー追随法、慣習価格法
などがあります。
・市場価格追随法:
すでに出回っている競合他社の提供価格を参考に、
自社の価格を上下させる考え方です。
いわゆる「相場」を見極めていくやり方で、
イメージしやすい方法と言えます。
・プライスリーダー追随法:
業界の大きなシェアを占める競合他社がある場合で、
かつその競合他社の価格設定が業界の相場に大きな影響を
与える場合にその価格を参考に自社の価格設定を行なう考え方です。
・慣習価格法:
お客様の中に「そのサービス・商品はこの値段だよね」と
共通認識となるほど浸透している場合に、その価格に
併せて設定する考え方です。
少し前の整体院は、10分1,000円という設定が多く、
お客様にも浸透していたと言えます。
それぞれ、市場のシェア率や、成熟度に応じて使い分けるのですが、
まだ、どれを参考にするかは決めないでください。
この後を読み進めていただいてからでも、
遅くはないでしょう。
この考え方を用いる場合のポイントがあります。
「なにと比較してもらうか」です。
リラクゼーションの業界は、近年かなり多様化しており、
大手企業の経営するサロンも、個人経営のサロンも多く、
そのコンセプトの種類も大きな広がりを見せています。
プライスリーダー追随法を用いられるほど、
シェアを占めているサロングループはまだ存在せず、
慣習価格法を用いるには、多様化が進んでいます。
だから、まだまだ新たに進出する余地がある業界とも言えますが、
新規出店する際に、
「どこの競合と比べてもらうのか」が重要になります。
例えば、
進○ゼミという通信教育講座があります。
これは、月額5,000円前後のサービスで、
毎月、テキストと問題集などの教材が届き、
返信すると添削してもらえるサービスが付属しています。
価格の感じ方で見てみましょう。
これを、
毎月雑誌が届くというところに視点をおいて、
雑誌の定期購読と比べると割高に感じます。
それが、
受験対策というところに視点をおいて、
学習塾の月謝や家庭教師をお願いすることと比べるとお得に感じます。
サロンも「なにと比較してもらうか」で、
高い・安いの感じ方は大きく変わります。
また、
「なにと比較してもらうか」の中で、
「比較させるか」ではなく、「してもらうか」という
表現を用いているとことも重要で、
なかなかこちらが思った通りには、
お客様は捉えてくれないものです。
なので、
「打ち出し方、見せ方」という点を考えていく必要があり、
そのためには、今一度、
「なにを提供するのか」という
サロンの提供するサービスの本質も捉えなおす必要が
出てくる場合もあります。
(コンセプトについては、単元6、単元7、単元8でご案内しています)
三種類の価格設定法の中で、
イメージしやすく、最も多く用いられる競合基準法といえますが、
だからこそ、きちんと用いることで、より有効になります。
きちんと用いるというのは、
「サロンコンセプト」と、それをどう伝えるかという「広告宣伝法」の
ふたつも一緒に考えていくことで、より有効に使える考え方です。
第一章の彼女は、なにと比較して失敗したのでしょうか。
安易に、「近くにあった」というだけで、
2,980円のサロンと比較してしまったことでしょう。
(2,980円のサロンと比較すること自体が失敗ではありません。
戦略的に比較対象とする必要があることもあります。)
「彼女のサロンの魅力」、「彼女の施術の提供する価値」、
「彼女の人柄が人に与える空気感」などを改めて一緒に洗い出し、
まったく違うサロンに生まれ変わりました。
ありがたいことに、
「独りでは、自分のもっている何がお客さまに選んでいただける
ポイントになるのか気づかなかったと思います。」と
おっしゃっていただきました。
続いての章を読んでいただいたうえで、
お独りで悩んでしまう場合は、お気軽にお問合せください。
(考えるのはいいことですが、人に訊いて解決することで
悩んでしまうのは、時間も気持ちも消費してしまうことでもあり、
もったいないので)
前章と今回で、
それぞれ、
自社から視点と競合と比べる視点での
価格設定の考え方をご紹介しました。
前章の最後でも触れたように、
三つの考え方のうち、
どれか一つを用いるのではなく、
すべての視点を用いるのが、
自分もお客様も喜ぶ価格設定に近づける方法です。
次章では、
三種類の価格設定の最後の一つをご紹介し、その後、
「顧客心理に基づいた価格設定のテクニック」に繋がっていきます。

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